日本人の持つ優れた精神性は、万葉集、源氏物語をはじめとした世界に誇る優れた文学作品と、能楽、および長唄、浄瑠璃、邦楽、舞踊といった舞台芸術の蓄積の中で磨かれ、日本人の心の中に深く浸透していった。これらの文芸は、長期間に亘る「時間の試練」をくぐり抜けた光り輝く珠玉であるといって良いであろう。しかしながら、日本人の心の奥底を流れる精神性の本質を理解することは容易ではない。本研究会では、学術的な基礎の上で日本文化の根本に流れる精神性を明らかにし、それをトップレベルの芸術家によって現代的創造の中で表現していく。このことにより、現代の日本文化の根底を流れる価値観を明確にし、日本社会の構造と特性を明らかにし、日本的精神性が持つ秀逸性を世界に対して発信する。